果樹研究所

一押し旬の話題

2011年10月 3日

カキ「早秋」、クリ「筑波」「美玖里」、リンゴ「きたろう」「こうたろう」

庭のカキも色づいてきました。カキと言えば、「富有」「次郎」が有名ですが、果樹研究所育成の早生の美味しい甘ガキ「早秋」を紹介します。

また、先回、クリ「ぽろたん」を紹介しましたが、本格的なクリシーズンとなり、「筑波」「美玖里」を紹介します。

それから、リンゴでは中生(なかて)と言われる品種が出始めました。果樹研究所では「きたろう」「こうたろう」を育成しています。

カキ「早秋」

早秋

「早秋」は1988年、「伊豆」を親に交配して、2003年に品種登録されたものです。

「西村早生」とほぼ同時期に成熟する早生の完全甘ガキです。「西村早生」は不完全甘ガキと言われ、種が入らないと渋が抜けません。「早秋」は種が入っても入らなくても甘ガキとなります。

果実の大きさは250g程度で、肉質はやや軟らかく緻密で、果汁がたっぷりあり、食味は良好です。糖度は14~15%で、早生品種としては日持ち性が良く、育成地では13日程度日持ちします。

甘ガキは東北地方や高冷地などの寒い所で作ると、渋が残ることがあります。

経済栽培されている甘ガキ品種は、晩生である「富有」、「次郎」とその枝変わり品種が主体です。
早生の完全甘ガキとしては、「早秋」の親の「伊豆」が栽培されていますが、収量性や果実の日持ち性が劣るため、この「早秋」が早生の優れた甘ガキ品種として増えていくことでしょう。

クリ「筑波」

筑波

クリ「筑波」は1949年、「岸根(がんね)」に「芳養玉(はやたま)」を交配し、1959年に命名登録された品種です。
多収性の品種で、我が国では最も広く栽培されており、クリ栽培面積の約4分の1を占めています。
成熟期は9月下旬で、果実の大きさは28g程度です。果肉は淡黄色で、粉質(パサパサとした性質)で甘味が多く、香気もあり、品質は極めて優良です。

クリ「美玖里」

美玖里

クリ「美玖里」は、食味が優れる「秋峰」と晩生の「石鎚」を交雑して育成した中晩生種で、2011年3月に品種登録された、出来たての品種です。大果で果肉の黄色味が強く、食味が優れた品種です。

9月下旬に収穫されるクリの中晩生の品種は、「筑波」、「石鎚」が中心ですが、特に「筑波」の生産に大きく偏重しているため、「筑波」より遅く収穫できる、食味が優れた品種として、期待されています。

クリのおいしい食べ方

クリは、買ってきたら、チルド室(0°C前後)で1ヶ月程度保存すると、甘みが増しておいしくなります。
また、網袋に入っていた場合はそのまま貯蔵すると乾燥してしまうので、薄手のポリエチレン袋に入れ、袋の口は縛らずに軽く折る程度で保存することを勧めます。

リンゴ「きたろう」

きたろう

「きたろう」は、1976年に、「ふじ」に「はつあき」を交配し、2000年品種登録された品種です。

果実の大きさは250~270gで、色は黄色ですが、陽の当たった部分は淡紅色に着色します。
果面にさびの発生がやや多く、外観はやや劣ります。

糖度は15%前後で高く、リンゴ酸含量は0.5%前後で、甘酸適和で食味は濃厚です。

日持ち性が優れており、貯蔵期間は常温で15日、冷蔵で90日以上です。
成熟期は盛岡市で10月中旬で、「千秋」より1週間程遅いです。

リンゴ「こうたろう」

こうたろう

「こうたろう」は1976年に、「ふじ」に「はつあき」を交配し、2001年品種登録された、「きたろう」と姉妹の品種です。

果実の大きさは通常250g前後で、「ふじ」よりやや小さく、果皮は濃赤色に着色して美しいです。

糖度は14~15%でやや高く、リンゴ酸含量は0.4%前後で、甘酸適和で芳香を有し、食味は優れています。

日持ち性は「ふじ」より劣りますが、貯蔵可能期間は室温で25日、冷蔵で70日前後です。
熟期は盛岡市で10月下旬で、「ジョナゴールド」とほぼ同時期です。

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