果樹研究所

一押し旬の話題

2012年6月15日

キンカンとフェイジョア

キンカン

ぷちまるの木 
「ぷちまる」の木

キンカンはミカンの仲間ですが、花が咲くのが他のミカンより1ヶ月くらい遅い6月中旬ごろです。しかも、1度目の花が小さな実となった頃、また花を咲かせ、3週間おきに合計4回ほど花を咲かせます。
昨年の実が着いていれば、大きな黄色い実から小さな青い実、白い花まで、同時に楽しむことができます。
キンカンの果実が小さい様に、花もミカンと比べると小さな可憐な花です。香りはミカン同様、甘い香りがします。

昨年も紹介しましたが、果樹研究所が育成したキンカン「ぷちまる」は優れものです。

ぷちまるの花
「ぷちまる」の花

「ぷちまる」は1987年に、「ナガミキンカン」に四倍体「ニンポウキンカン」を交配し育成した、きんかん農林1号として2002年に品種登録されました。
三倍体ですので、ほとんど種が入らないキンカンです。果実は長球形で平均11g位です。
他のキンカンと違って、皮の割合が高く、果汁の量はやや少ないですが、皮の甘味が強く苦味がなく、皮ごと食べる食味は良好です。

フェイジョア

『フェイジョア』という熱帯果物があります。
花は6月に咲きます。直径4cmほどの赤いというか白いというか、面白い花です。
つまり、花弁の内側が赤褐色、外側が白色で分厚い上、糖分を含んでいて甘みがあります。また、沢山あるおしべの赤い色が非常に目立ちます。
フトモモ科の熱帯果樹としては珍しく、結構、耐寒性があります。

果実は、11月中下旬に自然落果したものを、しばらく置いておき、香りが出てきた頃食べます。
果実の中には石細胞を含むため硬い部分とゼリー質の柔らかい部分が存在し、パイナップルとバナナの混ざった様な芳香があり、生食やジャム、ゼリーなどの加工食品、果実酒などに利用されます。

フェイジョアの花1 フェイジョアの花2
フェイジョアの花

リンゴ

今、果物屋さんでは、リンゴが売られています。ほとんどが「ふじ」です。
昨年の11月頃収穫され、半年も貯蔵されていたものです。もう、そろそろこれらのリンゴも最後になってきました。
今年収穫される「さんさ」などの早生リンゴと交替するのも間もなくです。

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