果樹研究所

一押し旬の話題

2012年8月 1日

ナシ

梅雨が明けたと同時に、35°Cを超える猛暑や豪雨に見舞われ、日本の気象も随分、温暖化が進んでいると感じさせます。
こんな時にはナシが瑞々しくって美味しいですね。

幸水 
幸水

ナシを代表する品種「幸水」は果樹研究所の育成であることは、皆様ご存じのことと思いますが、「幸水」は今から70年前、太平洋戦争が始まった昭和16年に、静岡市清水区興津の農林省園芸試験場(現果樹研究所カンキツ研究拠点)で交配されたものです。
その時期には、園芸試験場ではナシ、カキ、モモの交配がさかんに行われており、選抜・育成は戦中・戦後の混乱期に行われていました。
果物は贅沢品で、樹を伐採してイモや野菜を植えろと言われたり、食料難で果物が樹になっていると夜中に泥棒が侵入するので、順番に夜警をしたという話も聞いています。

さて、「幸水」ですが、交配・選抜してから各県の試験場で栽培評価試験を行っていただき、交配から18年後の昭和34年に登録されました。
当時の評判は、花芽が着かない、果実が小さい、収量が出ない、変形果が多い、とあまり芳しいものではありませんでした。

そんな中で、積極的に「幸水」を栽培していただいたのは埼玉県です。埼玉県は「長十郎」の大産地でしたが、いつも千葉県の後の出荷となり、収益が上がらない状況でした。
そこで、「長十郎」よりも早く出荷できる「幸水」を取り入れ、収益を上げようとしたのでした。
栽培方法などに工夫を重ね、各県にもどんどん広がり、「幸水」は、今では我が国のナシ栽培面積の40%を占める第1の品種となっているのです。

何が幸運になるか分かりませんね。
でも、果物は美味しいと言うことが一番です。

ナシでは、「なつしずく」、「秋麗」という青ナシも美味しいですよ。

なつしずく
なつしずく

秋麗
秋麗

研究センター