プラタナス(スズカケノキ)

カンキツ研究興津拠点のプラタナス並木
「すずかけの道」「プラタナスの並木」などと歌謡曲に歌われ、身近な街路樹として親しまれているプラタナス。日本中のプラタナスの親とも言われている樹が、果樹研究所カンキツ研究興津拠点にあります。
このプラタナスの樹はイギリスのキュー植物園でアメリカ種とヨーロッパ種の交配により作られたもので、木本植物では世界で最初の一代雑種と言われているものです。
1902年の試験場開所当時に導入されたもので、樹齢110余年になります。
現在は、老齢化して樹の中心部が空洞化して、今にも折れてしまいそうですが、雨風に耐え、頑張ってその勇姿を保っています。
1907年頃から、一緒に導入された新宿御苑や当場のプラタナス並木から切った枝を挿し木し、全国の街路樹としてプラタナス並木が広まったと言われています。
生命力が強く、刈り込んでも大丈夫。また、公害に強い点も街路樹に適した特徴の1つで、全国津々浦々まで広がり、最初にお話しした様な歌謡曲にもなったと言うことです。しかし、冬には葉がいっぱい落ちることや剪定が大変なことから、最近は街路樹としては、やや敬遠されているようです。
プラタナスはスズカケノキ科で、スズカケノキ、アメリカスズカケノキ、モミジバスズカケノキの三種類があるようです。日本語では、「鈴懸の木」と書きます。
果実が「鈴懸」に似ているからです。「鈴懸」は「旅の衣は鈴懸の…」と謡われた山伏の衣で、前身ごろの両側に下がった袈裟状のところについているボンボンが「鈴懸」です。普通のプラタナスの木では、2、3個実がかたまって着きますが、興津のプラタナスは剪定が強いので、実を着けたことがありません。

プラタナスの結実状況

山伏の衣についている鈴懸
刈込んで作られた明治期の並木として、「東大のイチョウ、北大のポプラと並んで日本三大並木」となっており、四季を通じて、折々の風情を楽しませてくれます。
私は、旅に出てプラタナスの街路樹を見たら、興津のプラタナスの子供たちかな、と懐かしく思います。
ちなみに、興津駅前のお菓子屋さんでは、「プラタナスの並木」というクッキーを販売しており、今ではこれも興津の名物になっています。
旬の果実
先日、池袋のデーパートの青果店を覘いたところ、「ぽろたん」の試食販売が行われていました。
池袋、銀座、二子玉川だけの販売だそうです。価格は普通のクリより高めでした。
ようやく「ぽろたん」も流通するようになりました。来年以降は手軽な値段で販売されるとうれしいです。












