ダイダイ
「ダイダイ}の結実状況
あけましておめでとうございます。
お正月には、しめ縄や鏡餅が飾られますが、そこにはダイダイがのっています。ダイダイは、カンキツ類の橙です。
橙の名前が「代々(だいだい)」に通じることから縁起の良い果物とされ、正月飾りに使われているのです。
ダイダイの実は、ミカンと同様に最初は緑色をしていますが、 秋から冬に橙色に変わります。
多くの果物の実は、色づき熟してくると果実が落果しますが、ダイダイは落果せず、そのまま次の年も木に残っています。
こうし て、一つの木に新旧の実がなるところから、「代々(だいだい)」の名がついているのです。
果実は酸味が強く、苦味があり、英語では sour orange と呼ばれています。
我が国では、古くから各地に植えられており、果汁を搾って酢として使われています。
臭橙(カブス)
「カブス」の花
以前お話ししました皇居の果物の中に、カンキツ類の代表としてダイダイが植えられています。
「臭橙(カブス)」という品種で、インドヒマラヤ地方が起源とされ、中国揚子江沿岸地帯から日本の各地に分布する品種です。
日本には非常に古く渡来したもので、10世紀初頭の書物である『本草和名』には、すでに、橙として記されています。
「臭橙」の名は、読んで字のごとく、特有の香りがあることから名付けられています。
カブスと読むのは、「その果皮を薫じ蚊遣となすがためなり」と注釈があります。
三宝柑(さんぼうかん)
「三宝柑」の果実
また、おめでたいミカンとして、「三宝柑(さんぼうかん)」がありますが、これも皇居に植えられています。
紀州徳川家の和歌山城内に生えていた木で、その後、家臣の邸内に移され、和歌山の各地に伝えられたという話です。
これを「三宝柑」と称するのは紀州候に献上の際に三宝に載せたためです。
3月から4月に成熟す るカンキツで、ヘタ部の凸が発達した特徴的な形の果実です。味も結構よいのですが、今では、その特徴を「デコポン(不知火)」にとられています。
旬の果物
お正月用に果物屋さんでは少し高級な果物が並んでいます。
メロンやイチゴは農水省の統計では果物の仲間に入りませんが、美味しそうな大型のものが並んでいま す。
リンゴの「ふじ」も色のよい大きな果実が並んでいます。
カンキツでは「せとか」が良い色をして、美味しそうです。