果樹研究所

一押し旬の話題

2013年4月 1日

桜とサクランボ

4月と言えば、入学式、入社式、人事異動と新たな出発の時です。入学式には桜が似合います。
しかし、近頃は温暖化が進み、卒業式に桜が満開となってしまい、季節が前進していることが実感されます。

桜の開花は南から北へ、低地から高地へ移っていきます。
3月に入ると、TVや新聞などで桜の開花予想が発表されます。
今年は3月13日に、まず福岡で平年より10日も早く開花しました。現在、桜前線は平年より1週間ほど早く北上中です。

と ころで、気象庁は、2010年からこの予想開花日の発表をやめてしまいました。
当たり外れが大きいというわけではないのですが、今では、日本気象協会や民間気象関係会社が開花予想のサービスをしています。

三春滝桜 
三春滝桜

身延のしだれ桜
身延のしだれ桜

開花予想に使われる標本木は「染井吉野(そめいよしの)」です。「染井吉野」は、日本中のどの「染井吉野」も同じ親から来ており、遺伝子的にクローンと言われて、標本木にはもってこいの木なのです。

サクランボ

サクランボの結実状況
サクランボの結実状況

時々、サクランボはどんな桜の木の果実なの? と言う質問がありますが、サクランボを採るのは、セイヨウミザクラという実を採るための種類の桜です。
セイヨウミザクラはヨーロッパからアジア西部の原産で、日本には明治初期に導入され、気象条件の合った山形県を中心に栽培がされています。

「染井吉野」でも実がつきますが、その実は黒くて小さく、酸味、渋味が強く、とてもサクランボのような美味しさはありません。甘酸っぱいサクランボの実る季節が待ち遠しいですね。

 

旬の果物

果物屋さんの店先には相変わらずカンキツ類があふれています。
「清見」が美味しくいただけます。また、昔からの甘夏、ハッサク、伊予柑なども並んでいます。昔に比べると、木の上で完熟させており、美味しくなっています。一度おためしください。

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