ふじ
今、私たちが使っている1,000円札は、2004年から使われており、表面には野口英世が描かれており、裏面には富士山と桜が描かれています。
富士山は、昨年世界文化遺産に登録された高さ日本一の山であり、世界でも美しい山の一つです。果樹研究所で育成したリンゴ「ふじ」は、今から52年前に、日本一のリンゴになって欲しいという思いを込め、富士山に因んで「ふじ」と名付けられました。「ふじ」の名前は、果樹研究所があった青森県藤崎町に因んでということもあります。
今では、日本のリンゴ生産の半分以上を占め、ダントツの日本一の品種です。それどころか、世界でも生産量第一位の、世界一の品種となっています。
富士柿

甲州百目の実
ところで、カキでは『富士柿』と呼ばれるカキがあります。
在来品種で「甲州百目(こうしゅうひゃくめ)」とも言います。
釣り鐘の形をした渋ガキで、500g以上になる大果です。現在国内では、1,000haほど生産され、「富有」、「平核無」、「刀根早生」に次ぐ国内第4位、シェア6%のカキ品種です。
福島県、宮城県、山梨県で主に作られています。
この柿は、福島県では、干し柿にされ、『あんぽ柿』と言う名前で売られています。
『あんぽ柿』は天日で乾燥させたカキで、元々の天干し柿(あまほしがき)が変化して『あんぽ柿』になったものと言われています。昭和9年の恩田・村松の文献によると、乾燥度の低い干し柿は、白い粉がふいてこないため色が黒く「烏柿(あまぼし)」とされています。
東日本大震災の影響を受け、出荷停止となっていましたが、昨年産で200トンほど出荷できるようになりました。
しかし、震災前の10分の1ほどの出荷に止まっています。
除染が進んで、徐々に出荷量は増えてきます。何とか産地を支えていきたいものですね。
この「甲州百目」は愛媛県では「富士柿」と呼ばれ、福島県では「蜂屋(はちや)柿」と呼ばれています。
大き くて富士山のように立派なカキです。
ちなみに、カキは世界では、中国180万トン、韓国25万トン、日本23万トン、ブラジル15万トン、イタリア5万トン程生産されています。

富士柿と富有柿

あんぽ柿
富士山

さった峠から見た富士山
最初に富士山と桜の話をしましたが、私は果樹研究所カンキツ研究興津拠点(静岡市)の近くにある、『さった峠』から見る富士山が好きです。
この写真は、桜ではなく梅と富士山ですが、桜の木も近くにあります。
JR興津駅からJR由比駅まで、さった峠を経由したウォークラリーのコースが設けられており、見晴らしの良い、気持ちのいいコースです。機会がありましたらチャレンジしてみてください。












