クリは、わたしたちの身近な食材として昔から親しまれてきました。 秋の味覚・栗ご飯をはじめ、栗きんとんや栗鹿の子、栗の甘露煮、モンブランケーキ、マロングラッセ、中国等から輸入されている天津甘栗など、さまざまな工夫を加えて利用されています。 わたしたちが、果実として食べているのは、クリの種子に含まれる子葉(果肉)の部分。子葉は、トゲのある"いが(毬)"や堅い"鬼皮"、さらに、薄い"渋皮"に包まれています。クリを食べるためには、鬼皮と渋皮を取り除くという手間のかかる作業が必要です。 栗ご飯に使うクリは大粒でおいしいけれど渋皮がむきにくいのに、小粒の「天津甘栗」はむきやすいのはなぜ? と思ったことはありませんか。実はこの二つ、植物学的にはまったく別の種類で、前者は「ニホングリ」、 後者は「チュウゴクグリ」という植物種なのです。 |
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"これらの長所をあわせ持ったクリをつくりたい!" しかし、その品種改良は容易ではありませんでした。「クリタマバチ」という害虫との闘いに多くの時間が必要だったからです。そこでまず、害虫に強い品種改良に着手。その中から、現在もクリの主要品種として全国で栽培されている「丹沢」「筑波」「石鎚」などが生まれました。その後、クリタマバチの天敵「チュウゴクオナガコバチ」の導入で、クリの害虫被害が減少。これを機に、1990年代前半に食味や渋皮のむきやすさ(渋皮剥皮性)を最重要視した品種改良が本格化しました。 こうした、さまざまな研究成果を背景にして「丹沢」と「550-40」を親とする「ぽろたん」は誕生しました。 大粒で甘くおいしい「丹沢」の良さをしっかり受け継ぎ、渋皮がポロッとむける、果樹研究所生まれの新しいブランド栗です。 |