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バイオ燃料変換技術研究開発

農研機構
バイオマス研究センター
食品総合研究所

平成21年度 研究成果報告

(最終更新日:2010年6月23日)

バイオマス変換要素技術の高度化

(独)農研機構 食品総合研究所

(独)国際農林水産業研究センター

富山県農林水産総合技術センター 森林研究所

長岡技術科学大学

東京大学

東京農工大学

京都大学

日本大学

熊本大学

北海道大学

区切り線

担子菌によるwhole cropの直接エタノール発酵技術の開発

代謝工学によるwhole cropの直接発酵に適した担子菌の開発

酵素複合体を活用したリグノセルロース系バイオマスの効率的糖化技術の研究開発

阻害物質耐性の向上及び発酵阻害物質の制御によるバイオエタノール発酵過程の効率化及び低コスト化に関する研究

セルラーゼのオンサイト生産方法の確立

凝集性酵母を用いた無殺菌・長期連続発酵技術の開発

ワラ前処理物の酵素糖化効率化のための新規酵素とその生産技術の開発

セルロース系バイオマスから一工程でエタノールを生産するプロセス構築へ

セルロース系バイオマスから一工程でエタノールが作れる次世代バイオエタノール生産プロセス「糖化発酵同時進行(CBP)」の構築を目指しています。食用キノコであるエノキタケFv-1株は、ごく少量の糖化酵素を添加するだけで、糖化酵素を添加するだけで、アンモニア前処理稲わら中の全ヘキソースの78%をエタノールに変換し、担子菌を用いたCBPの有効性を確認することができました。また、エノキタケが有する酵素を明らかにするとともに、形質転換系を構築しました。この系を用いて、CBPに必要な種々の酵素を高効率かつ安定して生産するエノキタケの開発を行っています。

        

少量の糖化酵素添加で顕著にエタノール生産性が上昇組換え担子菌

酵素複合体(セルロソーム)の特徴を最大限に生かした糖化技術開発

セルロース系バイオマスの糖化において、Clostridium thermocellum由来の「酵素複合体(セルロソーム)」は多様な触媒機能と基質結合能を有する 酵素です。自然界から高い酵素活性を示す同種の菌を選抜し、これらの菌から調製した酵素複合体は、カビ酵素と比較して高い酵素活性を示しました。また、酵素複合体に好熱嫌気性菌由来βグルコシダーゼをさらに添加することで、より一層糖化活性が上昇することが明らかになりました。

        

酵素複合体 糖化効率比較アンモニア浸漬処理前後稲わら電子顕微鏡画像

発酵(エタノール生産)過程における阻害物質耐性酵母株の実用化の推進

セルロース系バイオマスの糖化処理後の液には、種々の発酵阻害物質が含まれており、発酵(エタノール生産)過程における酵母の働きを阻害します。発酵過程において高い発酵活性が維持できるように、種々のストレス耐性の酵母を選抜し、性質を検討したところ、バニリン、フルフラール、HMFなど種々の阻害物質に対して耐性を示す酵母が得られました。また、Candida glabrata高温耐性呼吸欠損変換株を使用すると44℃で効率的にエタノール生産ができました。得られた有望酵母の実用化研究を推進しています。

        

ストレス耐性酵母の有望株を利用して高い発酵活性を維持

ジャーファーメンターでの発酵試験へエタノール生産効率の向上へ

糖化酵素の大量生産系の確立

糖化酵素の大量生産系の確立を目的としてTrichoderma reeseiATCC66589株の培養条件を検討しています。結晶性セルロースをC源とし2Lジャーファーメンターを用いて、333FPU/gC6の糖化の力価を示す培養条件を決めることができ、糖化酵素生産には溶存酸素量が関係することが分かりました。

        

セルラーゼ生産培養条件の検討

    

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