研究情報2010
どんなプロジェクト?
本プロジェクトは、国内農林業/地域活性化を期待する未利用バイオマス材料からのバイオ燃料技術開発を目的とする、平成19年度に開始された5ヶ年の
技術開発プロジェクトです。4年目の平成22年には、プロジェクトの残された2年間に成果として集約させるべく、繊維質糖化技術への集中を加速しています。平成21年度の補正予算で承認された
バイオエタノール製造実証ベンチプラントの試作機器を活用する、これまで取り組んできた各種の国産原料の前処理、糖化、発酵、蒸留、再資源化の一貫変換技術開発の加速に挑戦しています。
研究課題は小分担14課題を含むエタノール関連19課題、ガス化2課題の21課題に集約されています。
たとえば?
エタノール変換技術
草本系の対象作物・材料を変換技術から4群に大別して一貫変換技術開発をすすめる食品総合研究所のチームと、すでに先行して完成度の高い技術開発 実績を持つバイオマス燃料開発研究機関((独)産業技術総合研究所、(独)森林総合研究所)の2機関がそれぞれ稲わらあるいは廃木材等を材料に絞り込んで競争的あるいは協力的な環境で技術開発 を進めています。これらの3機関は既にそれぞれ独自の前処理工程を特徴とする小規模実証変換設備が整備されています。また、要素技術としての糖化・発酵技術の重要性から8課題が活動していま す。セルラーゼ生産・糖化発酵を一槽内に完結する方式としてCBP(Consolidated Bioprocessing)型発酵技術開発、酵素生産微生物からの繊維質分解酵素の探索、利用、オンサイト生産あるいは 利用性の低い5炭糖のエタノール発酵技術や各種の発酵阻害因子に対応するエタノール発酵あるいは連続発酵技術の開発に挑戦しています。
ガス化変換技術
木材や稲わらなどからのガス化発電利用やメタノール変換技術が実用化段階にあり、効率のよい技術開発へのブラッシュアップが進行中です。平成21年 度からはバイオマス3号機のバイオマスガスからのエタノール変換試験設備も設置され、その効率化に挑戦中です。
ディーゼル代替燃料変換技術
食品産業から排出される廃食用油を材料に無触媒メチルエステル化技術の開発も実証試験を終え、所期目標を達成し終了しました。エタノールに先行する燃料実用化技術として期待されています。当該技術は油脂利用の難点であった遊離脂肪酸の利用が可能なことが見出され、幅広い応用分野が期待されています。
| チーム | 材料 | 前処理 | 糖化 | 発酵 | 目標 |
|---|---|---|---|---|---|
| 草本系原料の総合的変換技術開発 | テンサイ、バレイショ、カンショ、ソルガム、サトウキビ、稲わら、麦わら | 粉砕、物理化学、生物、分画 | 酵素、C/H/P酵素糖化、酸/アルカリ、リアクター | C5・C6発酵技術、発酵阻害改善 | エタノール開発目標 100円/L |
| 稲わら変換総合技術の開発 | 稲わら | 粉砕/熱水 | アクレモニウム酵素等 | C5改良 | |
| 木質バイオマス変換総合技術の開発 | 木材 | 粉砕/化学 | トリコデルマ酵素等 | 同時糖化発酵、C5改良 | |
| バイオマス変換要素技術の高度化 | 稲わら、資源作物、木材 | 粉砕、化学、担子菌 | 酵素生産、担子菌、セルロソーム、酵素選抜 | 担子菌、固体発酵、連続発酵、C5・C6改良 | |
| バイオマスの熱分解による燃料ガス生産技術の高度化 | 草本・木質 | ガス化・化学変換コンバインドシステム バイオマスガスからのエタノール直接合成システムの開発と実証 |
所定目標、実証 | ||















富士通アクセシビリティ・アシスタンス「WebInspectorチェック」