気候変動に対応した循環型食料生産等の確立のための技術開発「温暖化2015」

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書(平成26年11月 公表)においては、気候システムの温暖化は疑う余地はないとされており、地球温暖化は世界中の自然と社会に深刻な影響を与え、我が国農林水産物の生産にも重大な影響を及ぼすことが懸念されています。さらにIPCCによれば、最も厳しい温室効果ガスの削減努力を行ったとしても、起こるであろう気候変動に対処するためには、短期的対応だけでなく、中長期的な適応が必要とされています。 農林水産省としても、中長期的視点を取り入れた適応計画として、平成26年4月、省内に農林水産省気候変動適応計画推進本部を設置し、農林水産分野における気候変動適応計画の検討を行い、平成27年8月6日に開催された第4回農林水産省気候変動適応計画推進本部において検討を行い、「農林水産省気候変動適応計画」を決定いたしました。 このため、将来のさらなる気候変動が我が国農林水産業に及ぼす悪影響を最小限に留めるため、中長期的な気候変動予測に基づき、温暖化による収量や品質の低下、病害虫の侵入リスクの回避・軽減、豪雨による農地等の被害の軽減のための技術開発を推進します。

農林業に係る気候変動の影響評価(A-8)

地球規模での温暖化や二酸化炭素濃度上昇などの気候変動にともなう農林業への影響を解明し、適応技術の開発に資するため、土地利用型作物、果樹、野菜、飼料作物、森林水循環を対象に、環境操作実験、作期移動試験、観測などを通じて、気候変動の影響メカニズムを解明し、影響予測モデルを構築します。それらのモデルと最新の気候変化シナリオを用いて、気候変動にともなうわが国の農林業への影響を高精度で評価します。
(実施期間:平成25年度〜平成29年度)

農林業に係る極端現象の水・土地資源への影響評価(A-9)

食料生産に関わる農業水利用や土地利用の技術やシステムを高度化させるために、極端現象に焦点を絞り、気候変動により農業水資源や土地資源がどのように影響を受け、またそれぞれの脆弱性がどのように変化するかを高精度に評価します。
(実施期間:平成25年度〜平成29年度)

温暖化の進行に適応する品種・育種素材の開発(A-10)

水稲、畑作物、果樹、野菜等において、中長期的な視点での気候変動の進展を踏まえた、将来の生育不良、品質低下等の被害を軽減できる品種・育種素材を開発します。
(実施期間:平成27年度〜平成31年度)

温暖化の進行に適応する生産安定技術の開発(A-11)

水稲、畑作物、果樹、野菜等において、中長期的な気候変動の進展を踏まえた、将来の生育不良、品質低下等の被害を軽減できる持続的な生産安定技術、環境保全型農業の推進や温室効果ガス削減にも寄与できる生産安定技術を開発します。
(実施期間:平成27年度〜平成31年度)

温暖化の進行に適応する畜産の生産安定技術の開発(G)

わが国の主要な家畜・家禽である乳牛、肉用牛、豚、肉用鶏および産卵鶏を対象に、生産現場で生じている暑熱による生産低下を栄養管理に基づく暑熱対策技術を開発します。生産性低下を10〜20%改善し、将来の温暖化の進行に適応した畜産の生産安定技術を提示します。
(実施期間:平成25年度〜平成29年度)

豪雨に対応するためのほ場の排水・保水機能活用手法の開発(K)

ほ場等の排水機能及び保水機能を高めることにより、集中豪雨による農作物や周辺農地の被害を軽減する技術の開発を行います。
(実施期間:平成27年度〜平成31年度)

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