ツバキは、古くから日本人に親しまれ、万葉集にも詠まれています。ヨーロッパにツバキが進出し、実際に知られるようになったのは18世紀末頃といわれてい
ます。ツバキの仲間は200種以上あり、花き研究所では約50種のツバキ属野生種を保存しています。近年は、新規性を求めて種間交雑による品種育成が盛ん
です。写真は花き研究所で育成された‘姫の香’(つばき農林4号)です。
ツバキは一般に無香~微香です。そこで、‘姫の香’は、南西諸島に自生し、ツバキ属植物の中で最も強い芳香を持つヒメサザンカという野生種を、ツバキ品種と交配して育成されました。その名の通り爽やかで優しい香りを放つ可愛らしい花を咲かせます。
-----いわゆる私たちが普通にイメージし、「ツバキ」と呼んでいるツバキは、ヤブツバキとユキツバキを指しています。これらは、日本にほぼ固有の種
(ヤブツバキは一部韓国の沿岸に分布がある)です。ちなみに、ヤブツバキの学名は、Camellia japonica
L. (二名法を確立したリンネその人につけてもらっています。)ユキツバキの学名は、Camellia
japonica subsp. rusticanaです。また、今までに育成されたツバキの園芸品種は、大部分がヤブツバキ由来のものです-----
photo: N. Oyama-Okubo