花き研究所

ハナショウブ(花菖蒲)(Iris ensata var. ensata)

2013年 6月

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アヤメ科アヤメ属の多年草で、ノハナショウブ(学名I. ensata var. spontanea)の園芸種です。葉がショウブに似ていて、美しい花が咲くことから、ハナショウブの名前がついています。
花の色は多数あり(学名の「Iris」はギリシャ語で虹の意味があります)、絞りや覆輪などとの組み合わせを含めると約5,000種類あるといわれています。大別すると、江戸系、伊勢系、肥後系の3系統に分類できる古典園芸植物です。
なお、菖蒲湯(しょうぶゆ)に使われるショウブは、ショウブ科(古くはサトイモ科)に分類される別種の植物になります。
また、近縁の植物にアヤメ、カキツバタがあり、混同されがちです。「何れ菖蒲か杜若(いずれあやめかかきつばた)」という慣用句がありますが、「甲乙つけ難いほど美しい」という意味のほかに、「よく似ていて区別がつけ難い」という意味があります。そのほかに「あやめ祭り」の「あやめ」とはこのハナショウブのことを指すことがあります。

photo & script: Y. Chikuo

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