ツバキ(椿・海柘榴)は、ツバキ科の日本原産の常緑広葉樹で、古くから庭木として親しまれている日本を代表する花木のひとつであり、多くの園芸品種が作られています。 花が美しく利用価値(工芸品や細工物の材木、椿油等)も高いので万葉集の頃からよく知られ、美術や音楽の作品にもしばしば取り上げられています。 葉は先端が突き出す楕円形で、縁には鋸歯が並び、厚くて表面につやがあります。 開花期は冬から春にまたがり、早咲きのものは冬さなかに咲くため、「花椿」は春の季語ですが、「寒椿」「冬椿」は冬の季語になります。
12月になるとカトレア、胡蝶蘭と並んで花屋さんの店先やホームセンターなどでよく見かけるようになります。シンビジウムは洋ランの中では比較的育てやすいので、一般の家庭に広く普及しています。原産地は、主に東南アジア一帯ですが、この仲間は日本にも数種類が自生しています。 園芸品種のシンビジウムは、東南アジアを中心にタイや中国などに自生する原種をもとに改良されてきたもので、現在では多くの品種があります。近年はカスケードタイプと呼ばれる花が垂れ下がるものに、人気が出ています。花の仕立て方も、花が垂れ下がったように見える仕立て方が多くなりました。
メキシコが原産国のキク科の多年草です。日本には江戸時代にオランダから渡来しました。 最近までダリアは、花の大きさが小さく地味な花しか一般に知られていませんでしたが、各地にダリア園が開設されたり、切り花に使用されたりで、豪華な花として人気が出てきました。 品種が多いのも特徴の1つで、数万種あると言われています。 ダリア園に行った際は花を楽しむ以外に、工夫を凝らした品種名のネーミングについて楽しむのも良いかもしれません。実際、様々な名前がついています。写真は'小桜'という品種です。
ヒルガオ科サツマイモ属の一年生植物。 とてもアサガオとは思えないような変わった形の花や葉を観賞するアサガオの突然変異系統を「変化アサガオ」あるいは「変わり咲きアサガオ」と呼びます。 江戸時代には2度、自然突然変異によって生まれた珍しい花である変化アサガオが流行しましたが、その後、廃れ、近年再び脚光を浴びています。 江戸時代の人々は遺伝学の知識なしでさまざまな変化アサガオを選抜育種してきたわけです。
中国原産 のキク科一年草 開花期がちょうどお盆の頃に当たり、切り花として持ちも良いので日本では夏の供花としてよく利用されます。写真は一重咲きですが、八重咲きも切り花として人気があります。 古くはアスター属に分類されていたので、今でもその名残で園芸ではアスターと呼ばれ続けています。現在はアスター属ではなく、カリステフス属に分類されます。アスター属と混同してややこしいからか、「エゾギク」の和名で呼ばれることもあります。と言っても、アスター属とは非常に近い仲間であることに変わりありません。 アスター属の代表的な植物にシオンや宿根アスターがあります。野菊のような雰囲気を持つ花が多いです。
キスゲ科の多年草。中国・近畿地方以北の高原や湿原に広く自生しています。正式な名前はゼンテイカ(禅庭花)ですが、一般にはニッコウキスゲの名前で知られています。日光の霧降高原の群生地が有名ですが、福島県など各地に群生地があります。花は朝に開いてその日の夕方にはしぼんでしまう一日花です。そのため昼過ぎ頃までが花の見頃ですので、花を見に行く時の参考にして下さい。
アヤメ科アヤメ属の多年草で、ノハナショウブ(学名I. ensata var. spontanea)の園芸種です。葉がショウブに似ていて、美しい花が咲くことから、ハナショウブの名前がついています。 花の色は多数あり(学名の「Iris」はギリシャ語で虹の意味があります)、絞りや覆輪などとの組み合わせを含めると約5,000種類あるといわれています。大別すると、江戸系、伊勢系、肥後系の3系統に分類できる古典園芸植物です。 なお、菖蒲湯(しょうぶゆ)に使われるショウブは、ショウブ科(古くはサトイモ科)に分類される別種の植物になります。 また、近縁の植物にアヤメ、カキツバタがあり、混同されがちです。「何れ菖蒲か杜若(いずれあやめかかきつばた)」という慣用句がありますが、「甲乙つけ難いほど美しい」という意味のほかに、「よく似ていて区別がつけ難い」という意味があります。そのほかに「あやめ祭り」の「あやめ」とはこのハナショウブのことを指すことがあります。
初夏から秋にかけて咲く多年草のノアザミの花の拡大です。 ノアザミの花は筒状花のみからなり、細長い筒状のおしべの中に花柱があります。昆虫などの刺激がおしべに与えられると、おしべの根元の花糸が縮み中から写真の様に柱頭に白い花粉が出て来る仕組みになっています。
バラ科リンゴ属の耐寒性落葉高木で、中国原産です。日本へは江戸時代に導入され、庭木または鉢花として利用されます。 開花後は小さいながら実もできます。名前の通り、花を観賞するカイドウでリンゴの接ぎ木台としてのカイドウ類とは種類が異なります。
コブシはモクレンの仲間の落葉広葉樹です。庭や公園、道路沿いなどに植えられますが、日本各地の山野でもふつうに見られます。春先、葉が開くのに先駆けて白い花を咲かせます。 相前後して咲くハクモクレンと較べて花は全体に小ぶりです。並べてみれば大きさの違いは歴然ですが、花弁の枚数を調べれば確実です。コブシの花弁は6枚。ハクモクレンも6枚なのですが、3枚のがく片も花弁と同じような色と形をしていて、全部で9枚の花弁があるように見えます。
早春の日差しの十分ある落葉樹林下でいち早く光合成を行い、開花・結実させ、夏には地上部は姿を消すspring ephemeralの一種です。旧暦の新春(今の2月頃)に開花することから、めでたい「福」と「寿」の字をあてたようです。 金属的な光沢のある黄色の花を地表近くで咲かせます。江戸時代から多数の園芸品種が作られている古典的園芸植物です。お正月に花屋さんで売られているものはハウス栽培されたものです。花芽は晩秋にできるので、その後約1ヶ月寒さにあわせて室内にとりこんでおくとお正月頃に開花します。