ベンケイソウ科カランコエ属の多年草、原産地はマダガスカル島です。「胡蝶の舞」という名前は園芸名です。写真は花の拡大で釣鐘型の薄桃色の部分は萼で、花弁は橙色の部分です。カランコエ属の仲間は、形態の奇異なものが多いので多肉植物の愛好家に人気があります。一般的に「カランコエ」と呼んでいるのはK. blossfeldianaを品種改良したもので、本種とは種が異なります。
写真のキクは、花き研究所とサントリーホールディングスとの共同研究により作出した青紫色のキクです。キク科キク属の複数の野生種を交雑することにより育種された栽培ギクには、青紫や青を発色させる上で必要とされる遺伝子がありません。従って、従来の育種方法ではこのような花色のキクは作出が困難でした。そこで遺伝子工学的手法を用い、カンパニュラ由来の青色色素の合成を司る遺伝子を、キクの花でうまく働かせる技術を開発しました。 より青くするため、さらに栽培および販売するためには、まだ多くの研究が必要です。
キク科の多年草、原産地はメキシコです。わが国へは、天保13年(1842)に当時唯一の海外との窓口であった長崎へオランダ船によりもたらされたと言われています。園芸植物の中でも品種数の多い部類に属します。その理由はフォーマルデコラ咲き、カクタス咲き、スイレン咲き、ボール咲き等数々の花型と大輪、中輪、小輪などの大きさの組み合わせがあるためです。写真のダリアはセミカクタス咲きの中輪で、品種名は「ヒフミ」です。切り花で有名な品種「黒蝶」を育成した秋田県の育種家、鷲澤幸治氏により作出されました。ちなみに 「一二三」の意味ではなく愛妻の名前だそうです。
タデ科の一年草。高さ2mくらいになる巨大な帰化植物です。熱帯アジア原産で、江戸時代に観賞用として渡来したものが野生化したようです。今でも農家の庭先や畑の一隅などに、栽培されたのか野生なのかわからない状態で生えております。タデの仲間としては大きく美しい花です。 かつては化膿性の傷に外用あるいは内用薬として使われたそうです。
ハス科の多年草、原産地はインド亜大陸とその周辺です。仏教と深い関係のある花で蓮華(れんげ)とも呼ばれますが、仏教伝来より遙か以前の古い時代に日本へ渡来したと思われています。日本最古の歴史書である古事記にはすでに「はちす(蜂巣)」の名で記載されていて、「ハス」の名は、この「はちす」から来ています。写真のハスは弥生時代の遺跡から発掘された種子由来のハスで発見者にちなんで「大賀ハス」と呼ばれています。現代のハスとの相違点として、花びらの枚数が多く形がやや長めなことやめしべの数が多いこと等があげられていますが、素人目には区別が付きません。ハスの花は朝早くから開き10時頃までには満開になり昼には閉じてしまいます。昼以降には、ハス池に行っても蕾のハスしかなく、満開の花をみることはできません。
サボテン科エキノカクタス属の球形サボテン。「horizonthalonius」は平たい茎の意味、属名の「Echinocactus」はハリネズミのようなサボテンという意味です。「太平丸」と聞いて多くの人は船を思い浮かべますが、ごく少数ながらサボテンを思い浮かべる人もいます。このサボテンは花と刺がきれいなのと産地間ごとの変異が多いため、「太平丸」だけを集めている栽培家もいます。現地では雑草(雑木)扱いなのに、日本では人気があるため自家増殖された結果、各原産地間のタイプ同士で交雑が進み、園芸品種としての「太平丸」が出来てしまっています。写真は黒刺タイプですが、2 年前に枯らしてしまい面影だけになってしまいました。現在、栽培に再挑戦していますが、なかなか良いタイプのサボテンに出会えません。
ユキノシタ科の落葉低木、園芸としての栽培は古く奈良時代から行われていました。アジサイの野生種は見つかっておらず、日本原産のガクアジサイ(Hydrangea macrophylla)がテマリ咲きになった花変わりだろうとといわれています。実際、テマリ咲きはガクアジサイの自生地でも見られます。全国各地にアジサイの名所があり、花の季節にはアジサイ祭りが開かれます。近年ホームセンター等でハイドランジアと呼ばれる様々な品種が鉢植えで流通していますが、これはアジサイや近縁種の改良品種です。そのため近頃は、梅雨空の中に青空のような普通の青いアジサイを見かけることが少なくなりました。
このような露地バラの最大の病害は黒星病です。 この病気は雨滴で伝搬します。このため現在のバラの営利切り花栽培は全て施設内で栽培されます。このため黒星病は全く問題とならなくなったのですが、今度はうどんこ病という比較的乾燥条件で多発する病害が重要病害となりました。栽培と病気の関係は人間と微生物との知恵比べです。
桜の仲間では寿命が長く、各地に有名なヤマザクラの大木が存在します。一斉に開花するソメイヨシノとは違ってヤマザクラは各個体ごとに開花時期が異なります。この桜は地元では有名な桜ですが開花の期間が短いのと奥深い山にある関係であまり大勢の観光客が来ないので静かに楽しめます。 撮影した日はサクラ祭りのため太鼓の音や焼きイカの匂いがする周囲の喧噪をよそに、すくっと立つ巨木の姿が印象的でした。毎年、この桜の年代を超えてきた「姿」と対面して、桜シーズンが終わります。
モクレン科モクレン属の落葉広葉樹の高木、歌謡曲「北国の春」でよく知られている花です。春先の木々がまだ芽吹く前に咲くため、遠くからでもよく目につきます。写真の木は遠近感が解らない位咲いています。以前、この木の周りは畑でしたが、今では周囲を住宅に囲まれひっそりと立っています。年に1度、白い花で包まれるとき、木の下に立って見上げると、満天の白い花びらと香りに包まれて時間が緩やかに流れて行くのを感じます。
スノードロップの名前は、ヒガンバナ科ガランツス属(Galanthus)の総称になっていて、ガランツス属はすべてスノードロップと呼ばれています。もともとはガランツス属の1種 Galanthus nivalis を呼んでいました。和名のマツユキソウ(待雪草)はG. nivalisを指しています。ガランツス属は、約20種が知られていますが、その違いは内花被(内側の花びら)にある緑色の斑点の模様から見分けます。写真の花はG. elwesii かと思います。約500種以上の園芸品種があり、イギリスなどでは、人々に良く親しまれており、日本の雪割草のように専門に栽培している愛好者もいます。よく似た名前の花にスノーフレークがありますが属が異なります。
セントポーリアはイワタバコ科のセントポーリア属の総称です。ケニア南部とタンザニア北部の山地の限られた地域に生息する多年草で、和名はアフリカスミレ属と言います。属名は発見者のサン・ポーリレール(Saint. Paul-Illaire)に因んで付けられています。1年を通じて室内栽培が可能で、周年開花の植物のため、夏は冷房、冬は暖房をすれば1年中室内で花が楽しめます。培養土等や用具も室内向けのものが販売されていますので誰でも手軽に栽培できます。しかし、私の場合は諸般の事情で育てるのが難しい植物です。そのためセントポーリアの親戚筋にあたるイワタバコを栽培しています。