母集団を段、層、集落のように分けて考えずに、サンプルを母集団からランダムに直接抜き取るサンプリング方法です。サンプリングの基本となる方法です。
母集団の正確な情報を得るにはランダムであることが非常に重要で、ランダムであることを保証するために乱数を必ず使うようにしましょう。
例えば、スーパーの果物売り場に1パック15粒入りのいちごが50パック並んでいたとします。その売り場にあるいちご1粒の平均重量が知りたいとします。この場合、母集団は売り場にあるいちご750粒です。単純ランダムサンプリングでは、売り場にあるいちご1粒1粒に1番から750番の通し番号を付けます。750個からランダムに抜き取るには数字の1から750が等しい確率で現れる3桁の乱数表が必要になります。一般の乱数表は列方向に2桁ずつ区切って表示されているので、4桁1組として4桁目の数字は捨てて3桁の乱数とみなします。すると、000〜999の乱数が得られます。もし、1〜750の範囲外の乱数が出たら捨てて次の乱数にします。必要な粒数だけの3桁の乱数が決まったら、乱数に該当する番号の粒をサンプリングします。
ランダムサンプリングされた粒の重量を計測して平均重量及び標準偏差を計算します。得られた平均重量が、その売り場にあるいちご1粒の平均重量の推定値になり、標準偏差はその売り場にあるいちご1粒ずつの重量の変動の大きさの推定値になります。