ゴールデンウィークは、旅行や家族団らんなど楽しんでおられることと思います。
果樹研究所の育種の研究者は、一年で一度しか花の咲かないこの時期に、休みを返上して交配作業に汗を流しています。
多くの果物が4月から5月にかけて花を咲かせます。
モモから始まり、ナシ、ミカン、カキ、リンゴなどが花を咲かせます。果物は食べるが、花を見たことがない人も多いかも知れません。
近頃人気が増しているブルーベリーも4月下旬に、可憐なスズランに似た白い花を咲かせます。果樹研究所の正門前やつくばセンター近くの植え込みなどで見られます。よーく探してみて下さい。
ところで、2008年4月に、宮内庁よりお話しがあり、皇居東御苑に、江戸時代に日本で栽培されていた果物の樹を植えさせてもらいました。
- 皇居東御苑果樹古品種園に植えられている品種は、
- モモ
- 薬缶(やかん)、オハツモモ
- スモモ
- 米桃(よねもも)、万左衛門(まんざえもん)
- ナシ
- 六月梨(ろくがつなし)、今村秋(いまむらあき)、類産梨(るいさんなし)、大古河(おおこが)、淡雪(あわゆき)
- リンゴ
- リンキ、高坂(こうさか)リンゴ、加賀藩在来(かがはんざいらい)
- カキ
- 祇園坊(ぎおんぼう)、四溝(よつみぞ)、禅寺丸(ぜんじまる)、堂上蜂屋(どうじょうはちや)、豊岡(とよか)
- ミカン
- 紀州ミカン、九年母(くねんぼ)、三宝柑(さんぼうかん)、臭橙(かぶす)、江上(えがみ)ブンタン の5種類22品種です。
カキ・ワリンゴの説明
ニホンナシなどの説明
残念ながら、果樹古品種園は、園地改修整備のため、8月末まで立ち入りできないようです。
来年の今頃は、綺麗な花が咲いていると思います。時間がありましたら、皇居東御苑を訪ねてみて下さい。
今、食べて美味しい果物は、「清見」、「デコポン(不知火)」、「メイポメロ」などのカンキツ類です。
「メイポメロ」は静岡県内の流通に留まっていますが、インターネット販売でも売られています。近年、この時期の隠れた人気者となっています。
昔からの「甘夏」も遅くまで樹に成らせておいた、『木なり甘夏』などは美味しいです。