インフルエンザ・プリオン病研究センターでは
インフルエンザ・プリオン病研究センターでは、動物インフルエンザの新たな防除法の開発に向けて新型ウイルス出現のリスク低減を目指したウイルスの種間伝播に関わる遺伝子変異の解明等を行います。また、プリオン病に関する試験及び研究並びに調査並びに病性鑑定に関する業務を行います。牛海綿状脳症(BSE)等プリオン病の感染・発病機構の解明、プリオン病の早期診断法の開発、分子レベルでの蛋白質の異常化機構の解明のほか、肉骨粉の不活化評価の応用などの実用化技術の開発に取り組みます。
動物インフルエンザに関する研究
- 国内外で分離された高病原性鳥インフルエンザウイルスの病原性や遺伝子の解析を行ない、ウイルスの病原性の解明を目指した研究を行っています。このような研究によって、高病原性鳥インフルエンザの発生を予防する手段の開発を目指しています。
- タイやベトナムでの豚インフルエンザウイルスの生態を調査しています。豚インフルエンザが養豚業界に与える経済的損失を軽減したり、豚の中から新しい遺伝子型を持ったインフルエンザウイルスが出現するのを早期に察知することによって、新型ウイルス対策に貢献することを目指しています。
- 鳥インフルエンザウイルスや豚インフルエンザウイルスの診断手法の開発を行っています。ウイルスを早期に高感度で検出することによって、迅速な防疫対策に貢献します。


主要研究成果
- PCR法による鳥インフルエンザウイルスの亜型判定
- 豚インフルエンザウイルスのウイルスレセプター特異性の変化
- 東南アジアにおける鳥インフルエンザ等人獣共通感染症病原体の分子疫学情報
- 日本でオオハクチョウから分離されたH5N1亜型高病原性鳥インフルエンザウイルスは過去の発生ウイルスとは遺伝的・抗原的に異なる
- インフルエンザウイルスに対する細胞性免疫の指標となる細胞表面抗原の同定
関連リンク
動物プリオン病に関する研究
異常蛋白質の性状解明
プリオンの主要構成成分である異常プリオン蛋白質の構造、とくに生物学的性状を規定する構造情報を明らかにします。また、非定型BSEの性状の解明に取り組みます。

蛋白質の異常化のメカニズム解明
分子レベルでの蛋白質の異常化機構の解明を目指します。感染性に関わる蛋白質の構造を明らかにし、プリオンの本態の解明に取り組みます。

プリオン病の病態解明
動物体内および細胞内におけるプリオン感染、伝播機構および病態の発現機構の解明に取り組みます。

プリオン感染性および異常蛋白質の高感度検出技術の開発および畜産物、畜産副産物、医薬品、食品などの安全性評価への応用とBSEリスクの評価
PMCA法のBSE牛の早期診断法および肉骨粉の不活化評価などへの応用のための実用化技術、BSEプリオンの感染性の高感度検出技術の開発に取り組みます。また、畜産物、医薬品、食品などの安全性評価ならびに肉骨粉等の畜産副産物の有効利用方法の開発にも取り組みます。

主要研究成果
- スクレイピー感染羊体内におけるプリオンは不均一な集合体で存在する
- わが国で摘発された非定型牛海綿状脳症プリオンの牛への伝達性
- わが国の黒毛和牛に認められた非定型プリオンの性状
- 異種動物への伝達に伴うBSEプリオンの性状変化
- ラクトフェリンによるプリオン複製阻害効果





