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アミノ酸の一種のメチオニンを土壌に混和すると、サツマイモネコブセンチュウの密度が顕著に低下する。また、トマトに対する線虫の寄生程度も下がり、トマトの生育が良くなる。メチオニン処理は、土壌中の物質循環などに有益な役割を果たす自活性線虫の密度への影響は少ない。
1960年代を中心にアメリカ、イギリス等において、有害線虫や土壌病原菌の防除資材として、種々のアミノ酸の効果が試験されたが、コスト面から開発が断念された。近年、アミノ酸の生産コストが低下していることから、環境保全型農業における有害線虫防除技術の一つとして、メチオニンを対象に、ネコブセンチュウの防除効果を検討するとともに、自活性線虫の密度とトマトの生育への影響を調査する。
図1:土壌のメチオニン処理とネコブセンチュウ密度
図2:土壌のメチオニン処理と自活性線虫密度
図3:土壌のメチオニン処理とトマトの生育及び線虫の寄生度
ゴール指数:線虫の寄生皆無を0、根全体が線虫の寄生によってこぶが連続した場合を100として表した線虫の寄生程度
[試験条件]
土壌:黒ぼく土(茨城県谷和原村)1kg/ポット
作物:トマト(強力米寿)ポット当たり5粒
栽培:メチオニン・肥料を土壌に混和し、1週間後に芽出し種子を播種。25°C恒温(自然光の人工気象室)4週間。
ポット:1/10,000aプラスチックポット
施肥:高度化成(15-15-15)を160kg/10a相当、石灰を200kg/10a相当
メチオニン:0.6g/ポット(60kg/10a相当)
密封処理:メチオニン・肥料混和後、土壌をポリエチレン袋に入れて口を閉じる。
線虫分離:ベルマン法72時間処理3反復
[試験区の処理条件]
処理1:メチオニンなし、非密封。
2:メチオニンなし、密封。
3:メチオニン混和、非密封。
4:メチオニン混和、密封。