農薬登録情報を容易に取得・編集できるシステム

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要約

インターネットを通して農薬登録情報データベースを検索し、農薬使用基準データを取得できる情報システムである。利用者は、農薬登録番号、適用作物名、適用病害虫雑草名を任意に選択してデータを取得した後、それらの並べ替えや集計等の編集を容易に行うことができる。

  • キーワード:農薬登録情報、検索システム、インターネット、データ編集
  • 担当:中央農研・農業情報研究部・モデル開発チーム、生産支援システム開発チーム
  • 連絡先:電話029-838-8973、電子メールsugak@naro.affrc.go.jp
  • 区分:共通基盤・情報研究
  • 分類:技術・普及

背景・ねらい

農薬使用基準が詳細化・複雑化していることに加え、農薬取締法が改正され使用者の基準遵守義務が規定されている。最新の農薬登録情報を取得する手段として、インターネットで利用できるWeb検索システムがすでにある。しかし、都道府県の行政・普及や生産現場等で病害虫雑草防除指針や農薬使用計画を作成する場合においては、単に検索するだけでなく利用者各自の必要に応じて農薬使用基準のデータを取得し、並べ替えや集計を行いたいという要望がある。そこで、Webを通して必要とするだけのデータを取得・保存でき、かつ利用者の手元で並べ替え・集計等の二次的なデータ編集が可能な農薬登録情報利用ソフトウェアを開発する。

成果の内容・特徴

  • 本システムでは、独立行政法人農薬検査所より提供を受けたオリジナルの農薬登録情報データベースを使用しており、農薬の使用基準に関する正確な情報をWeb上で取得できる。このデータベースは月に約3回の頻度で更新されている。
  • 本システムの中核となるソフトウェア(以下ソフト)は、農薬登録情報データベースを検索して結果を利用者に送信するサーバ側ソフトである。さらに、そのデータを受信してMicrosoft Excelのシートとしてデータを保存できる利用者側ソフトの"ACLoader"がある。
  • サーバ側ソフトは、農薬登録番号、適用作物コード、適用病害虫雑草コードを指定するとそれに適合する農薬使用基準データが検索される仕組みとなっている。サーバ側ソフトを単独で使用する場合の手順を図1に示す。利用者がWebページ上で、作物の分類→作物名→病害虫雑草名の順に選択すると、農薬使用基準の一覧表が表示される。
  • 利用者側ソフト"ACLoader"は、ExcelのWebクエリ、オートフィルタ、およびマクロ機能を応用して製作したファイルである。ACLoaderでは、任意の適用作物名・適用病害虫雑草名を選択するか農薬登録番号を入力して検索を実行すると、サーバ側ソフトを介して農薬使用基準データが自動的に受信され、Excelのシート上に表示される(図2)。利用者は得られたデータを保存し、必要に応じて並べ替えや集計等のデータ編集を容易に行うことができる。

成果の活用面・留意点

  • 本システムは主に試験研究機関を対象として試験運用中である。農薬ナビWebサイト(農薬ナビ判定サーバ)から利用者登録することにより、本システムを無料で利用できる。ただし、取得したデータの二次的な編集やその公表は利用者の責任において行うこととしている。また営利目的では利用不可としている。
  • ACLoaderは、利用者登録すれば上記Webサイトからダウンロードして利用できる。また、利用者によるACLoaderの改変、あるいは同等機能のソフト製作も可能である。

具体的データ

図1 適用作物と病害虫雑草の選択による検索ページの画面例

図2 検索用ソフトウェアACLoaderの画面例

その他

  • 研究課題名:農薬適正使用ナビゲーションシステム(農薬ナビ)の開発
  • 課題ID:03-04-05-01-15-04
  • 予算区分:高度化事業
  • 研究期間:2004~2006年度
  • 研究担当者:菅原幸治、南石晃明
  • 発表論文等:1) 「農薬ナビ判定サーバシステム」
    2) 南石・菅原(2004)農業情報研究 13(4):301-317