九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

えぐみが少なくサラダや電子レンジ調理に適するゴボウ品種

要約

サラダ用ゴボウ品種として選定した「コバルト極早生」と「新ごぼう」は、生食だけでなく、電子レンジ調理にも適しており、ゆがきよりもポリフェノールの流出が少なく、食味が優れる。

  • キーワード: サラダ、ゴボウ、「コバルト極早生」、「新ごぼう」、電子レンジ調理、ポリフェノール
  • 担当: 福岡農総試・豊前分場・野菜水田作チーム
  • 代表連絡先: Tel:0930-23-0163
  • 区分: 九州沖縄農業・野菜・花き
  • 分類: 技術・普及 

背景・ねらい

福岡県の特産物の一つであるゴボウは、食物繊維やポリフェノール、オリゴ糖、イヌリン等の機能性成分が含まれ、健康に優れた食材として認知され始めている。しかし、調理に手間がかかる等の理由から消費量は伸び悩んでおり、県産ゴボウの生産振興を図るためには、新たな需要の増加につながる特徴ある商材の開発が必要である。
そこで、生食でもおいしいサラダ向け品種を選定するとともに、さらにおいしく簡単に調理できる電子レンジ調理でのポリフェノール含量と食味について明らかにする。

成果の内容・特徴

  • 生食において、「コバルト極早生」と「新ごぼう」は、「柳川理想」や「山田早生」に比べ、糖度が高くてえぐみや褐変が少なく、食味が優れる(表1)。
  • 電子レンジ調理において、「コバルト極早生」は「柳川理想」や「山田早生」より軟らかく、「新ごぼう」は「山田早生」よりも食味が優れる(表2)。
  • ゴボウの電子レンジ調理は、ゆがきよりも短時間ででき、ポリフェノールの流出が少なく、糖度が高くて甘みが強く、食味総合評価が高い(表3、表4)。

成果の活用面・留意点

  • 「コバルト極早生」(柳川採種研究会)は根長が50cm程度で収穫しやすいが、取り遅れると空洞や亀裂を生じやすい。「新ごぼう」(中原採種場)は根長が70cm程度の極早生種で低温伸長性に優れる。
  • 栽培法は、株間を4cm(栽植密度7,140株/a)、施肥量をN-P2O5-K2Oを各3.8kg/aとする以外は、従来の若掘りゴボウと同様である。サラダ向けの収穫サイズは根径15~19mmで食味が優れる。作型は8月播種の11月収穫から12月播種の5月収穫まで可能である。

具体的データ 

 表1

表2

表3 

表4 

その他

  • 研究課題名: サラダ用ゴボウの高品質安定生産技術の確立
  • 予算区分: 県単
  • 研究期間: 2005~2007年度