ポイント
- JAかごしま茶業(株)と農研機構は、「べにふうき」緑茶のメチル化カテキン含有量を一定範囲内に抑える生産工程管理法を確立しました。
- この技術を活用し、ハウスダストやほこりなどによる目や鼻の不快感を軽減する初めての機能性表示食品「べにふうき」緑茶ティーバッグを開発しました。
- 2015年9月15日に販売が開始されます。
概要
2015年4月から機能性表示食品制度が始まりました。「機能性表示食品」は、事業者の責任で、科学的根拠を基に商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品のことです。加工食品だけではなく、生鮮食品を含む農林水産物も対象としていることがこの制度の特徴です。
農研機構は、メチル化カテキン1)を多く含む「べにふうき」緑茶の機能性に関する研究を1998年から実施してきました。また、機能性関与成分であるメチル化カテキン含有量を高める「べにふうき栽培・加工マニュアル」を2005年に公表しました。
JAかごしま茶業(株)は、「べにふうき」を系列農家で栽培し、メチル化カテキンを多く含有・保持するための栽培法、摘採法、製茶法、再製法などについて、2004年から農研機構等と共同で研究を実施してきました。
機能性表示食品制度の開始に向け、JAかごしま茶業(株)と農研機構では、農林水産省予算「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業:海外輸出に対応できる日本茶生産体系の実証研究」において、メチル化カテキン含有量のばらつきを一定範囲内に抑える生産工程管理法を確立し、機能性表示食品「べにふうき」緑茶ティーバッグを開発しました。消費者庁への届出では、農林水産省委託事業(平成26年度農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業 緊急対応課題)で実施・公開されたシステマティックレビュー2)を科学的根拠としました。
届出の表示内容は以下の通りです。
1.表示する機能性は、「本品にはメチル化カテキン(エピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート)が含まれます。メチル化カテキンは、ハウスダストやほこりなどによる目や鼻の不快感を軽減することが報告されています」。
2.対象者は、「ハウスダストやほこりなどにより、目や鼻に不快感を有している成人男女」。
3.一日摂取目安量の3包(9 g)には、メチル化カテキンが34 mg/9 g(抽出後)含まれます。
開発された機能性表示食品は、ハウスダストやほこりなどによる目や鼻の不快感を軽減する初めての機能性表示食品として、JAかごしま茶業(株)から2015年9月15日に販売が開始されます。
※9月14日付当初のプレスリリースでは一部に不適切な表現がありましたので訂正しました。
予算:攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業(農林水産省)
特許:特許第3637355号(2005年1月21日)