ポイント
- 農研機構シンポジウム「One Healthから見た動物インフルエンザ」を開催します。
- 動物の健康、人間の健康、環境の健全性の三者のバランスが切っても切り離せないものであるとするOne Healthの立場からみた動物インフルエンザと、動物インフルエンザウイルスの人間への感染対策について国際的に活躍している専門家の話を伺います。
概要
2004年以降、アジアを中心とする世界の各国において鳥インフルエンザウイルスの人感染例が多数報告されています。また、2009年には、鳥、豚、人のインフルエンザウイルスの遺伝子が交雑したパンデミックインフルエンザウイルスが人で流行し、以来季節性インフルエンザとして人での流行を繰り返すとともに、豚への感染も広がっています。こういった宿主の壁を越えたインフルエンザウイルスの感染は、豚や鳥が一緒に飼育されている農村、生きた豚や鳥が売られている市場や粗放的な養鶏、養豚場といった動物と人間が密接に共存する環境が関わっていると考えられています。また、インフルエンザウイルスは人や動物の移動に伴って広がることから容易に国境を越えます。本年4月にも熊本県球磨郡多良木町の養鶏農場において高病原性鳥インフルエンザが発生しました。これは国内での高病原性鳥インフルエンザとしては約3年ぶりの発生でした。このようにインフルエンザは世界のどこか遠い国の問題ではなく、身近な脅威として存在します。
人の健康、動物の健康、環境の健全性は、グローバルなレベルでもローカルなレベルでも密接に関連しており、それぞれを維持していくにはどれも欠くことができない関係にあります。これからのインフルエンザ対策には、このOne Healthと呼ばれる考え方をとりいれた動物インフルエンザ対策を講じていくことが重要です。
今回のシンポジウムではOne Healthからみた動物インフルエンザと動物由来インフルエンザウイルスの人感染例とその対応について、世界的に活躍している専門家による講演を行います。