果樹研究所

一押し旬の話題

2011年4月 1日

かんきつ類「清見」

「清見」は我が国で初めて作った温州みかんとオレン清見の画像ジの雑種です。正式には『タンゴール』と言う名前のカンキツ類です。

種のない温州みかんから、新しい品種を作ることは大変難しく、海外でもこの様 な品種は珍しいのです。
温州みかんの様に果汁たっぷりで、オレンジの様においしくて良い香りがします。
育成する時には、もう少し皮がむきやすいものを狙っていたのですが、少しむきにくいですね。
しかし、「清見」の子供たちの「不知火(デコポン)」「はるみ」などは皮もむきやすくなり、香りも良く、果汁たっぷりです。
ビタミンCや食物繊維をはじめ、今話題のβ(ベータ)-クリプトキサンチンも補給できます。
4月の中下旬くらいまで楽しめますので、ぜひ味わってみて下さい。

清水の原木

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「清見」は、 1949年に温州みかんの「宮川早生」にトロビタオレンジを掛け合わせて生まれました。
その種から育った木を原木といいますが、今も、カンキツ研究興津拠点(静岡市清水区)で元気に生きています。
名前の由来はカンキツ研究興津拠点近くの、海岸を清見潟といいます。その清見潟からとって命名されました。
高山樗牛は「清見潟日記」という書を残しています。

清見の結実状況

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熟期は3月中下旬で、3月中旬~5月かけて市場に出回ります。
2009年度の栽培面積は 1,132.3haで、愛媛県、和歌山県、佐賀県、熊本県などが主産地です。

清見の果実

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清見の果実は約200gグラムです。
果皮は黄橙色で皮を剥くのは難しいですが、オレンジを食べるように8つ切りにして食べてください。
果肉は濃橙色で柔らかく果汁たっぷりです。
糖度は11~12%あります。、酸が1%前後になります。
わずかにオレンジ香があり、美味しい品種です。

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