果樹研究所

一押し旬の話題

2013年9月15日

ぎんなんとアケビ

ぎんなん

イチョウの木から落ちた銀杏
イチョウの木から落ちた銀杏

街路樹のイチョウの実も黄色く色づき、そろそろ落果し始め、ぎんなんの収穫時期になりました。

イチョウは東京都、大阪府、熊本県の木となっていますが、県の木でなくても、身近なところでよく見られる木です。
明治神宮外苑や御堂筋の街路樹はイチョウ並木として知られており、落下した果実が臭く、ぎんなんを拾った人はタクシーへの乗車拒否などの問題が起きることもしばしばです。
また、熊本城は、別名「銀杏城」とも呼ばれています。

イチョウは古生代の頃から地球上に出現し、ダーウィンに「生きている化石」と呼ばれました。
雄の木と雌の木がありますが、どの様に受精されるのかとか、大イチョウを移植するのに首をかけたとか、源実朝を殺害した隠れイチョウとか、各地で色んな伝説が残っています。

さて、イチョウの実、ぎんなんは、タンパク質やアミノ酸に富んでおり、栄養価の高く、昔から漢方薬として用いられており、滋養強壮、咳止めなどに利用されてきました。
これらの効能は、ルチンやケルセチンなどのフラボノイドや、ギンコライドなどによるものとされています。

この様な薬理作用がある一方、ぎんなんの果肉を触るとひどいかぶれを引き起こす人がいます。
また、食べ過ぎると、腹をこわしたり鼻血を出したりという話もありますが、食べ過ぎないよう適度な量を摂ることがよいですね。
お酒のつまみに、焼いたぎんなんや茶碗蒸しに入っている緑のぎんなんはちょっと苦み走った美味しさだけでなく、彩りも良いですね。

イチョウの雌花
イチョウの雌花

イチョウの雄花
イチョウの雄花

アケビ

アケビは、初めて見た人は、これは食べ物なのか? なんて思う人もいるでしょう。
花は4~5月に咲き、9~10月に熟して紫色になります。種子を包む胎座と言う部分が甘みを持っているので、種と一緒にどろっとした部分を口の中へ放り込み、種だけをペッペッと吐き出して食べたものです。

皮は苦いのですが、中にひき肉を詰めて油で揚げたり、味噌炒めにするなど、山菜料理としても親しまれています。
つるは、カゴを編むなど、工芸品として利用されます。

アケビの生果の国内生産量は約70トンで、山形県がほぼ9割の生産です。
他に愛媛、秋田、長野県で生産されています。

アケビにはアケビ(5葉種)とミツバアケビ(3葉種)とがありますが、商業栽培では、品質に優れたミツバアケビが多く用いられています。

アケビの実
アケビの実

アケビの花
アケビの花

旬の果物

ナシ、ブドウが美味しくなりました。秋の食卓を賑わせてくれます。

研究センター