中央農業研究センター

水田輪作における地下水位制御システム活用マニュアル

  • 水田輪作における地下水位制御システム活用マニュアルを刊行しました。
  • 地下水位制御システム(FOEAS)を活用した稲、麦、大豆、野菜の栽培技術やFOEASの導入条件、維持管理法を解説しています。

日本の水田は、水稲、麦類、大豆などの土地利用型作物の生産において中核的な役割を果たしている生産基盤です。現在、水田を活用した水田輪作体系では、水稲の低コスト化、麦類、大豆では高品質安定生産が喫緊の課題となっています。さらに作業の競合回避や収益性向上のために水田への野菜作導入も期待されているところです。これらの目標を達成するため、近年、FOEAS1)や集中管理孔2)などの水田の灌排水機能を改善した基盤整備技術が開発されています。

地下水位制御システム(FOEAS)の普及面積は、現在、9000ha(含施工予定)に達し、その特長を活かした各種作物の栽培技術やFOEASの導入条件、維持・管理等に関する情報が生産現場から強く求められていました。そこで平成22年度より、9道県と全国農業協同組合連合会および農研機構において、農林水産省委託プロジェクトを開始し、その成果をもとに「水田輪作における地下水位制御システム活用マニュアル」を作成しました。

このマニュアルでは、FOEASや集中管理孔で地下灌漑を行う際の好適な導入条件、水稲や大豆栽培時の用水量、FOEASの機能を低下させる要因とその際の回復方法、雑草管理や耕耘作業への影響等について紹介しています。さらに全国での水稲乾田直播、小麦、大麦、大豆の栽培時における利活用方法を解説するとともに、水田への導入が期待されているネギ、ブロッコリー、ハクサイなどの野菜作への応用について紹介しています。また、先行的にFOEASを導入している事例についての経済性評価を行っています。

このマニュアルにより、FOEAS導入地域における本システム機能の維持管理が図られるとともに、水稲、麦類、大豆、野菜の高位安定生産に貢献することが期待されます。

下記からマニュアルのpdf版(増補改訂版2016年3月)をダウンロードすることができます。

用語の解説

  • 1)地下水位制御システム(FOEAS:Farm-Oriented Enhanced Aquatic System):
    給水(水位管理器)と排水(水位制御器)の調節機能を有した水位制御システムで、雨が降れば暗渠から排水し、晴天で乾燥が続けば地下から灌漑を行い、栽培作物に応じた最適な水位(地下-30cm~+20cm)を維持することで、湿害や干ばつ害を軽減し、農作物の収量及び品質の向上に寄与する技術です。
  • 2)集中管理孔:用水路に簡易な施設を取り付けることによって暗渠排水施設に灌漑用水を給水することで暗渠管の清掃が可能になります。このようなシステムを「集中管理孔」と呼んでいます。また、このシステムを利用して地下灌漑を行うことが出来ます。

農業・食品産業技術総合研究機構
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地下水位制御システム(FOEAS)の概要スライドショー

水田としての機能を維持しつつ、高い排水機能と地下からの灌水機能を併せ持ち、地下水位を自由に設定できる地下水位制御システム(FOEAS)を理解していただくために、音声解説入りの説明スライドショーができました。

説明スライドショーは、FOEASの全体を簡単に解説した「要約編」(約16分)、詳しく解説した「詳細編」(約40分)、施工方法の解説(約40分)の3種類となっています。

「要約編」はダウンロードして利用していただくことができます。

法人番号 7050005005207